「考える縫製工場」国内一貫生産

1点ものよりも量産品の方が難しい

 

先日お客様が電話でこのようなことをおっしゃいました。

 「1点ものよりも量産品の方が難しい」

という言葉でした。

ふつう1点ものの方が世界に一つしかないという点において量産品よりも価値があると考えます。

しかしそのお客様は「1点つくるのはどのようにしてでも作ることができるけれど、量産しようと思うと、

ひとつひとつ間違いないように仕上げていかなければいけない。

ミシン仕事にしても針仕事にしても力のいれ加減やパーツの付け方を同等にしようとするのはとても難しい。

また、裁断や縫製、検査などさまざまな人を介するので、意思疎通をしっかりととらなければならない。

納期やコストもクリアする必要がある。そうしたことをクリアした上で、同様のものに仕上げていく方が、
1点をつくるよりも難しいと思う。」とおっしゃいました。

とても勇気をいただきました。

「ただそういうものに価値があると認められる機会が非常に少ない。
 1点もの=高価、量産品=安価という考え方が浸透している。

ヨーロッパの方が量産品の価値を認めて値段がとおることが多い。」
ともおっしゃっていました。

海外からの大量生産品と比べたときにどう差別化するのかというのは
私たち作り手としてつらいところです。
しかし、レベルの高いものも均一に仕上げていく価値がまだ消費者に
伝わりにくいのだろうと思います。

その価値を知ってもらえれば消費者の方もその価値に見合った対価を払う

ことに納得できると思います。

 

私たちはもっと発信していかないといけないと思います。